おごと温泉開湯と伝教大師最澄
琵琶湖周辺には、古事記で紹介されている古代の神々をご祭神・ご本尊としている神社仏閣が多くあります。また琵琶湖そのものは「天台・薬師の池」と呼ばれ、沖島、沖の白石、竹生島、多景島、白髭神社など、数々のパワースポットが存在しています。そして琵琶湖の周辺にある温泉各地は、霊験あらたかな湯治の郷として全国の人々が訪れてきました。
そんな琵琶湖周辺の温泉地の中でも、比叡山に一番近いおごと温泉は、平安時代1,200年前比叡山天台宗の伝教大師最澄が開いたと言われています。
おごと温泉の南に法光寺という天台宗のお寺があります。その境内に念仏池(蛇ヶ池)という池があり、ここから地下水が絶え間なく湧き出していたそうです。村人たちがこの水を飲むと、難病はたちどころに癒え、池の泥を塗ると皮膚病や汗疹も治るという言い伝えがありました。
おごと温泉は、伝教大師最澄がこの念仏池に坂本六地蔵のひとつである苗鹿地蔵(のうかじぞう)を祀ったことから霊泉として大切にされ、現在でも1,200年の湯治の郷としてpH値9.0の高アルカリ性の源泉が絶えることなく湧き出ています。